【excel】関数・マクロ・切り貼りなしで段組印刷
概要
考えたり微妙な調整を行うことなくして、確実に段組印刷を行う。Microsoft XPS Document Writer + Abobe Acrobat Reader + Microsoft Print to PDFを使用する。
印刷関連機能の確認
Excel
用紙サイズは設定しているプリンタで使用できる用紙サイズのみ使用可能。
プリントサーバープロパティ
Windowsの機能。ポート設定や用紙サイズの追加が可能。追加された用紙サイズを参照できるかどうかは、プリンタによる。
Microsoft XPS Document Writer
プリントサーバープロパティで追加した用紙サイズを参照可能
Microsoft Print to PDF
既定のサイズのみ用紙サイズを設定可能(プリントサーバープロパティで用紙サイズを追加しても規定サイズのものしか参照できない)
Adobe Acrobat Reader
任意の項数を割り付けて段組印刷可能。
手順A(余白なし)
1 プリントサーバープロパティで用紙サイズを追加
- サイズ:21.0/N cm × 29.7 cm(余白は全て0)
- 名前:A4(1/N)
※Nは任意の自然数
2 ExcelからPDFエクスポート
- 使用するプリンタにMicrosoft XPS Document Writerを指定
- 余白を全て0にする(ヘッダー・フッターをつけたい場合は、その分の余白を上下に設定。最終的な段組印刷で段の間隔を広げたい場合は、左右余白で調整)
- 水平の中央配置を有効にする(一応念のため、なくてもよい)
- 「全ての列を1ページに印刷」を設定し、ページの縮小率が100%未満となっていることを確認(縮小率100%の場合、段の間隔が広くなることに留意)
- Excelの機能でPDFエクスポートする(仮想プリンタの書き出しでないことに留意)
3 Acrobat Readerで段組印刷
- 出力したPDFをAcrobat Readerで開く
- 印刷設定ダイアログを開く
- ページサイズ処理>複数
- 1枚あたりのページ数>カスタム(任意のページ数を直接入力)
- 印刷実行
手順B(余白あり)
1 プリントサーバープロパティで用紙サイズを追加する
(1)余白ありA4用紙
- サイズ:21.0 cm × 29.7 cm(左右1.5cm、上2.0cm、下0cm)
- 名前:A4M
(2)各段の用紙
- サイズ:18.0/N cm × 29.7 cm(余白は全て0)
※幅は18/Nより若干小さいほうが段の間隔に余裕ができる。 - 名前:A4M(1/N)
※Nは任意の自然数
2 ExcelからPDFエクスポート
手順Aの2に同じ
3 Acrobat Readerで段組印刷
基本は手順Aの3に同じだが、下記を追加
- プリンタをMicrosoft Print to PDFに設定
- ページ設定>用紙サイズ:A4Mを指定
用紙サイズ例
余白なし
用紙名 | 横 | 高さ | 余白 |
A4(1/2) | 10.50cm | 29.70cm | 全て0 |
A4(1/3) | 7.00cm | 29.70cm | 全て0 |
A4(1/4) | 5.25cm | 29.70cm | 全て0 |
余白あり
用紙名 | 横 | 高さ | 余白 | 備考 |
A4M | 21.00cm | 29.70cm | 左右1.5cm、上2.0cm、下0 | |
A4M(1/2) | 8.50cm | 26.50cm | 全て0 | 8.5=18/2-0.5 |
A4M(1/3) | 5.60cm | 26.50cm | 全て0 | 5.6=18/3-0.4 |
A4M(1/4) | 4.20cm | 26.50cm | 全て0 | 4.2=18/4-0.3 |
- 高さ26.5cmは29.7cmと上余白2.0cmに加え、下余白1.2cmを想定して設定。セル下端がぴったり26.5cmにくることはほとんどないので、実際の高さは26.5cm未満の表が出力される。
- 幅は、段の間隔が適度に開くように18/Nより若干小さく設定する。エクセルの左右余白設定でも調整可能。
横長の表の段組印刷(縦に並べる)
- 短辺を分割する段組印刷であれば、上述の用紙を横向きにすれば作成可能。
(上の例ではエクセルで上下余白0.1cmを設定して段落間隔を調整している) - 長辺を分割する段組印刷をする場合は、新たに用紙サイズを追加する必要あり(本稿では説明しない)
その他
- 本稿ではMicrosoft Print to PDFで段組状態でPDF書き出ししてからの印刷としたが、プリンタによっては、その手順を経ずに段組印刷可能かもしれない。
- 特定の行数で出力したい場合は、縮小率で大まかに調整し、必要に応じて下余白で微調整を行う。
- プリントサーバープロパティで追加した用紙は追加した順に表示されるため、管理が悩ましい。
- 表の外枠と中罫線の線種を変えている場合は、下記も参照していただきたい。