【word】縦中横を文字スタイルで管理(縦書き文書・横書き文書切替対応)
概要
縦書きと横書きを相互に切り替えられるよう、縦中横を文字スタイルで管理する。
なお、縦中横などの拡張書式(英語名:Asian Layout)は、スタイルの設定ダイアログからは設定できない。
よって、スタイルの修正ではなく、スタイルセットの切替により縦中横の切替を実現する。
手順
(1)縦中横の文字列を作成
- 文書中に標準スタイルの段落に適当に作成する。縦中横以外の余計な書式設定は行わない。
- 縦中横オプションの「行の幅に合わせる」の設定は任意。場所によって使い分けたい場合は、両方作成する。
- 横書き文書のままでも可。
(2)文字スタイルに登録
裏技的方法だが、文字スタイルに拡張書式を設定する方法
- 縦中横を設定した文字列を選択した状態で「新しいスタイル」を作成する。
- 名前:任意(単純に「縦中横」で可。複数の縦中横スタイルを作りたい場合は、識別できる名前)
- 種類:文字
(3)スタイルセットとして保存
- デザインタブから「新しいスタイルセットとして保存」を指定
- 名前:任意(例:縦中横オン)
(4)縦中横スタイルの変更(縦中横解除)
- 標準スタイルの段落中の文字列(標準スタイル以外の書式がついていない箇所)を選択する。
- 縦中横を設定した文字スタイルのオプションを開き、「選択個所と一致するように●●●を更新する」を実行する。(※●●●は設定したスタイル名)
(5)スタイルセットとして保存
- 名前:任意(例:縦中横オフ)
使い方
- デザインタブからスタイルセットを切り替える。
- 文書の「文字列の方向」から縦書き・横書きを切り替える。
留意事項
- 縦中横を切り替えることによって、当該箇所の字送り幅、行送り幅が変化するため、行の折り返し箇所、改ページ箇所がずれる場合があることに留意。
- スタイルを変更する場合は、全体のスタイルが完成した後に、片割れのスタイルをセットを作成すること。途中でスタイルを変更する場合は、片割れのスタイルセットを上書き更新すること。
- 縦中横を解除したスタイルセットで、文字列に縦中横スタイルを当てても、変化は見られないが、スタイルセットを切り替えればきちんと縦中横になる。
個人的意見
パソコンは縦書きよりも横書きの方が適していると思われるので、最終的に縦書きとする文書でも横書きで作成したほうが効率がよい場合もある(特に文字中心の文書)。体裁を整える作業は最後にまとめて行えばよい。
- マウスのスクロールは垂直の方が早い(まあ元々wordには縦書き文書の横スクロールはありませんが)
- IMEの変換候補の表示方法は横書きの方がよい。MS IMEではTabキーで変換候補を沢山表示させることができる。
その他検討した内容
- VBAでスタイルを設定できないか検討したが、無理っぽい(拡張書式はFontのメンバーではなく、Rangeのメンバーなので、Styleから設定不可)。
- XML(OOXML)を編集できれば可能なのだが、開いているファイルのXML(OOXML)が編集できるものなのか分からず断念。ファイルを閉じていたとしても、ZIPファイルの中身を編集できるものか分からず断念。仮に出来る方法があるとしても、標準環境では出来ないと想定し断念。
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