【word】蛇腹折りの式辞
概要
段落内で、スペース・改行を用いずに任意の位置の行を空行とする
(空行の前後の文字列が連続している状態を保つ)
キーテクニック
ヘッダー(またはフッター)のオブジェクト(直線)を本文領域に配置し、本文文字列を回り込ませる。
設定
※操作の手順が重要なので、必ず下記の順番で設定する。
※グリッドを表示させておいたほうが分かりやすい。
(1)用紙設計・行送りを設定し、余白を算出する
A4横、縦書き、糊代は右側にとる
4面各5行(文字4行+空行1行)計20行
行送り39pt、左余白19.5pt
※19.5ptは39ptの1/2
右余白 = 841.9pt - (39pt × 20行) - 19.5pt = 42.4pt
※841.9ptは297mm(A4の長辺)
※行送りの値は適宜設定
※ベタ組とする場合は、計算して上下余白を設定する(下記記事参照)
※ベタ組としない場合は、適当な値をmm単位設定でよい
(2)単位設定
Wordのオプション>詳細設定>表示
使用する単位:ポイント(pt)
※(4)まで設定が終了すれば、ミリメートル(mm)に戻してOK。
※mm単位のままでもOK。mm単位でもできるよう早見表を追記した。紙面設計の理解を深めるためにも、pt単位による説明にお付き合い願います。
(3)標準スタイルの設定
①フォントサイズ設定
任意の値を設定
②段落設定
行間を固定値として(1)で設定した行送りの値を設定
③文字配置設定(なくても可)
段落設定の体裁タブの文字配置:下揃え
※ルビを振る場合で、行送りサイズに対してフォントサイズが大きくて、ルビのための幅を確保できない場合に設定が必要。そうでない場合は「自動」のままでOK。
※フォントごとに仮想ボディのサイズが異なるため、フォントサイズと行送りの大きさだけで、ルビを考慮した文字配置の設定を決定するのは(私は)できないので、実際にルビを振ってみて不都合があれば、文字配置の設定を調整する。
(4)ページ設定
①レイアウトタブ > ページ設定
文字方向:縦書き
②余白タブ
左右の余白:(1)で算出した値を設定
上下の余白:任意の値(※ベタ組でない場合は、mm単位の入力でもOK)
③その他タブ
ヘッダー:0pt
フッター:0pt
※上下余白が狭い場合に、ヘッダー・フッター領域が本文領域に侵入する場合があるため、念のため0ptとしておく。
※ヘッダー・フッターで何かしたい場合は適宜設定
④文字数と行数タブ
文字数と行数の指定:「文字数と行数を指定する」
文字数:任意の値
行数:(1)で設定した行数を設定。行送りの値が設定した値と等しくなるか確認。
(4)ヘッダーのオブジェクトを本文領域に配置
①ヘッダー(フッター)編集状態にする
ヘッダー(フッター)に直線を配置することが今回のテクニックのミソなので、必ずヘッダー(フッター)編集状態にすること
※ヘッダーでもフッターでもどちらでも構わない。
②図形で垂直線を作成
シフトキーを押しながら作図で、垂直線となる
垂直線の長さは、用紙の高さ - 上下余白
(※概ねの長さでも大丈夫。上下余白をmm単位としているなら、長さもmm単位で設定しても問題ない)
垂直線の色、太さ、実線/点線を設定(目立たない設定が望ましい)
図形のレイアウトオプションは「狭く(外周)」とする。
③1本目の図形を配置する(1番左)
(垂直方向)
垂直方向は本文領域の上端に合わせる。
(水平方向)
図形 > その他レイアウトオプション > 位置タブ
水平方向【右方向の距離】
基準:ページ
距離:39pt × 5行 = 195pt
※左に糊代をとる場合は、左余白+0.5行分の距離
④図形を複製する
3本複製して、計4本とする(4面なので4本)
⑤一番右の直線の水平配置を設定する
図形 > その他レイアウトオプション > 位置タブ
水平方向【右方向の距離】
基準:ページ
距離:39pt × 20行 = 780pt
※左に糊代をとる場合は、左余白+15.5行分の距離
⑥図形を整列させる
図形の書式タブ > オブジェクトの選択と表示
選択ウインドウで全ての直線を選択(※コントロールキーを押しながら右クリック)
図形の書式タブ > オブジェクトの配置
「上揃い」と「左右に整列」を実行する。
(5)表題の設定
1面の文字列が4行の場合は、表題を2行の中心に配置する。
- 表題の段落の設定で段落前・段落後に、それぞれ0.5行を設定する。
- 表題のフォントサイズを大きくする場合は、段落の文字配置を「自動」か「中央揃え」にする。
留意点
表示単位をmmとしている場合、pt単位で入力したときは正確にpt単位の値が反映されるが、関連するダイアログを開いたときなどに再計算が行われ、丸め誤差が生じ、各項最後の行が次項に飛ぶことがあることに留意。
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早見表(おまけ)追記
折り方(おまけ)追記
端の線から順番に折るよりは、最初に中心の谷折りを糊代線に合わせて折り、他の線は実際の用紙の端に合わせて折ると折りやすい。複数枚数を作成する場合、大きさが揃いやすい。
この場合、糊代線以外の直線は見える必要がないので、線の色は地の色と同色にしても問題ない。
蛇足ながら図を作成した。三角のところを目印として折る折りやすい。